ダイヤモンドの原石は「キンバーライト(kimberlite)」と呼ばれる火成岩から産出されます。
キンバーライトは先カンブリア時代に生じた世界的な造山運動(火山の噴火など)により地中深くの超高温下にあった炭素が地表に押し出され急速に冷やされたことで誕生したと言われています。
そのためキンバーライトは古い地質条件が保たれている大陸の奥地でしか採掘することが出来ず、加えておよそ４トンのキンバーライトからダイヤモンドは約0.2gしか採れないとされています。
さらにその0.2gのダイヤモンドのほとんども不純物が多く含まれておりジュエリーとして活用することができません。
前述した通り本物のダイヤモンドとはキンバーライトから採取された天然のダイヤモンドを指します。それでは偽物のダイヤモンドとはどういった物を指すのでしょうか。
偽物のダイヤモンドとは炭素以外でできたダイヤモンドのことを指します。
しかし実はこの「偽物のダイヤモンド」という表現は適切ではなく厳密には「ダイヤモンド類似石」あるいは「模造ダイヤモンド」と呼んだ方が適切です。
ダイヤモンド類似石には「ジルコン」「モアッサナイト」「キュービックジルコニア」等があります。成分こそダイヤモンドと異なるものの価値が無いわけではないので厳密には「偽物」ではないのです。
実際の所本物の天然ダイヤモンドと模造ダイヤモンドはパッと見では見分けがつきません。しかしながらおよそ本物か偽物かを見抜く方法を知っているだけでもある程度の判断をつけることができます。
簡単な見分け方の一つとして「ふーっと息を吹きかける」というものがあります。
本物のダイヤモンドの場合熱伝導に優れているため息を吹きかけた際曇るのはほんの一瞬です。これに対し模造ダイヤモンドの場合は熱伝導率が低いため本物のダイヤモンドに比べ曇っている時間が多少長くなります。
本物の天然ダイヤモンドは水を弾く「疎水性」が非常に強く水滴を垂らしてもしっかりと水を弾きます。対して偽物(模造ダイヤモンド等)の場合弾かずに水滴がそのまま残ってしまうため容易に見分けることが出来ます。
また本物のダイヤモンドを見抜く方法として「油性ペンで表面に書く」というものがあります。
天然のダイヤモンドには油分に馴染む「親油性」があるため油性ペンで表面に線などを書くことができますが偽物の場合書くことが出来ません。
この特徴を利用して見分けるという方法なのですが油性ペンを落とす際のことを考えるとあまり推奨できる方法とは言えません。
本物の天然ダイヤモンドは光を取り込むと屈折し乱反射するため反対側が透けないという特徴があります。
この特徴を利用して「文字等が書かれた紙の上に置いて透かしてみる」という見分け方があります。
本物であれば反対側が透けないためもし反対側の文字等が透けて見える場合は天然のダイヤモンドではない可能性が高いです。
ただしモアッサナイトの場合は天然のダイヤモンドと近い屈折率を持つため本物のダイヤモンド同様に反対側が透けて見えない可能性があります。
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